種子田益夫を絶縁して病院を乗っ取った息子吉郎の悪辣さ(4)

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牛久愛和病院の出資証券を父益夫から騙し取った吉郎

(写真:種子田益夫)

5年ほど前の2017年3月、種子田益夫が次男の安郎に宛てた手紙がある。益夫が資金繰りのために長男の吉郎に牛久愛和病院の出資証券を預け、2億円を調達したが、その後、吉郎が出資証券の返還を拒んだことから父子の対立が深まった。そうした渦中で吉郎が益夫からの連絡に一切対応しないため、安郎宛に手紙を送ったとみられる。以下、一部だが益夫の安郎宛の手紙を紹介する。

『安郎くん、夕べは遅くまで電話かけて申し訳ない。実は、○○弁護士から安郎くんの名前で、常仁会の株を預かったこともない、見たこともないという内容証明が来ましたので、それをそういって物事が通るわけありません。確かに宮崎の裁判のために2億円要るときに、新潟の山で借りるようにしましたが、新潟の山だけでは金が出ないということで、もしこの出資金(出資証券 以下同)、私が持っているものを全て持ってきてくれということで、すぐ取りに行って、直してあったのを渡して、帝国ホテルまで持っていきました。安郎くんも吉郎くんも2人おりました。そこで渡して、送金2億円をやってもらうようにして帰りました。預かり証と言ったんだけども、後でやりますということだったから信頼して帰りました。今金を返すから、返したときには出資金を返してください、土地を返してくださいと言ったら、吉郎くんは、出資金はシュレッター掛けたと言われました。そんなことをお父さんに言えるはずがないと思ったけども、仕方がない、自分の子どもが言うことだから、何とでも言っているんだろうと。出資券(出資証券)は5億円、現金を持っていって買い取ったものであります。みんな知っています』

(写真:種子田吉郎 父益夫が刑事事件の渦中に置かれるや病院グルーの乗っ取り工作を進め、遂には父益夫を絶縁した)

この流れを読んだだけでも、吉郎が牛久愛和病院の出資証券を父益夫に返さず、乗っ取りを画策した経緯が分かる。吉郎による病院グループの乗っ取りは、益夫が東京商銀事件で有罪判決を受け服役することになった平成17年前後から着実に進行していった。出資証券は益夫が病院の大株主(オーナー)である証だった。それを、吉郎は2億円の裁判費用を益夫に調達する代わりに預かると称して騙し取ったのだ。何とも卑劣なやり方だ。親子だから事件にはならなかったようだが、以降、益夫の呼びかけに吉郎が一切応じなくなった経緯を見ても、吉郎の冷酷さが窺い知れる。

「病因の資金繰りに85億円を注ぎ込んだ」と益夫が強調
『ただ怖いのは、お父さんが悪いと言えばそれでもいいでしょう。どんな謝りもします。しかし、お父さんの弱みにつけこんで、これでもか、これでもかといじめるようなことをすると、お父さんもばかじゃないので、兵庫県の病院作るために銀行の金で別に85億円を、4つの株式を買う金、資金繰りのための部外の借金を払うのに85億をつぎ込みました。それは全部帳簿を見れば分かります。裁判所に言って帳簿閲覧を、帳簿を出してもらうように手続きを取ろうと思っております。
何もないお父さんは、お父さんとお母さんは、一生懸命働いて3人の子どもに幸せになってもらうために、どんなに苦しくても出資金は1万円も外部には出しませんでした。それは命懸け、体を張って残した出資金を、シュレッターを掛けたとか、預かった覚えはないとか見たことがないとか、それでは通らないと思う。確かに病院は私が全部作って私がやっていたんだけども、事情によって私が現場を離れなくちゃならなんなったから、その間には弁護士に任そうということで決まったけれども、しかし、種子田家で吉郎くんを信用しなけりゃ誰を信用するんだという私の気持ちがそのようになったので、預けていきました。預けていって帰ってきてから、おやじ、病院はこうこうだから、われわれでやるから資金を全部頂けるんでしょうかというぐらいのことを言うかと思うとったら、つらく私を当たって、本当に歩けないぐらい全てをやっておりました。しかしみんな裏から教えてもらいました。レイムケッテイの役員の方も私に会いに来ました。社長には一番先に会いたかったけども、息子さんのほうで、お父さんに会うといけないようなことだからとか、社員もものを言いたくても、ものを言ったらまた吉郎くんから目を付けられるということでびくびくしておるから、私のほうから遠慮して何ともものを言っていません。言う気持ちもありません。しかしあまりにも、お父さんを踏みにじったときには病院もなくなるときです。必ずなくなるときです。なぜこの前も会うと言って、ホテルまで取っていたのに、風邪だというから仕方がない、風邪なら仕方がないと思っていました。もう風邪が治って弁護士のところに行ったり、あっちに行ったりこっちに行ったりしとるんだから、晩にすぐに連絡を取って、会わなければ会わない、そう言ってくれなければお父さんは毎日約束を破るのは大嫌いだし、時間を破るのは大嫌いだから、毎日、いつ来るのかということで気を掛けています』(以下次号)

2023.06.03
     

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