品田裁判長が証拠から排除した面談記録(音源)に隠された真実

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鈴木と西が、合意書に基づいて数多くの銘柄で株取引を実行していたことはいくつもの証拠によって明らかになっているが、鈴木は「西に協力して合意書には署名指印したが、実際に株取引は実行されず、その後、株取引の話をしたこともなかった」と強弁して憚らなかった。しかし、A氏と西、鈴木が協議をした平成18年10月16日の模様を始め、鈴木の側近としてエフアール(その後のなが多、クロニクル)の経営を担ってきた天野裕(故人)との面談、さらに株取引で鈴木の仕掛けた株の売りをほぼ全面的に任され実態を知る紀井氏との面談等の模様を録音した音源もまた、重要な証拠として裁判所に提出されていた。それにもかかわらず、一審の品田裁判長がこれらを証拠として認めず、無視さえしたのだから、不可解でならない。鈴木の主張や証言が嘘であることが明確になっているからだ。
以下、それぞれの面談記録の中から重要と思われるやり取りを抜粋して掲載する。

平成18年1月16日の和解協議
協議の場で強迫や監禁があったと主張する鈴木が、言いたい放題の話をして、西を罵倒している。強迫されているという人間の態度ではない。その様な場面が音源の随所にある。
A氏:鈴木さん、あなたそこまで言うんだったらな、西の話は別だよ、一番最初の宝林だってね、うちへ15億持ってきて、1億だけ小遣いに使いたいって、14億もらった、俺は。ね、これははっきり言って、まだこれ来てから聞いたんだよ、俺はあのとき10億億もらいましたと、ね。それで鈴木さんはって聞いたら8億ねと
鈴木:それは、だって、こいつの話でしょ
A氏:いや鈴木さん、聞いてよ、
西:そいつの話って、あんまり
鈴木:うるせえな
西:俺の方が用件分かってるんだよ
(西と鈴木の罵り合いがしばらく続く)
………
西:鈴木さん、言えってもう
鈴木:何言ってんだよ。とんでもないよ、こいつはもう本当に
西:こいつじゃなくて、原点に戻そうよ

………
A氏:じゃあ鈴木さん、信用してよって言うんだったら、あなたも全部オープンにしろよ。だったら今回は…
鈴木:オープンにしてるじゃないですか。それは言いがかりでしょ、これ。こんなに儲かってって、側近の者が言ってるぞって。何の確証もないもの見せられてね。何で俺がオープンにできるんですか。ちょっと違う、それ。オープンにして下さい、全部。誰が言って何を言ってるのか。じゃあ、何でその本人を呼んじゃいけないんですか
A氏:それは、あなたの言うこと、それはよく分かる。西な、誰が言ってるってのは、これはもう仕方ないんじゃないか、この場は。俺は直接聞いてないから、ちょっと俺は名前を出すのは。俺、知ってるけどね。それ、嫌らしいことあまりしたくないから
西:僕もしたくないです。それ、鈴木さんが一番よく知ってることですから
鈴木:社長ね、でも、そんだけ体張る話でしょ

………
鈴木:社長ね、いろいろオープンにして、社長とまあ話するのはいいです。ただ、そこらへんを本当に明確にして、俺ももう言ったから、そういうのはしないから。それでもし彼が言ってるように俺がいくら稼いでると。だったら俺も命落としてもいいよ、社長
A氏:本当だね。本当だね、よし分かった。そこまで言うんだったら、もうそれではっきりさせよう
西:俺もいいよ
鈴木:お前はいいよ。お前の話聞いてもしょうがない
西:その言い方はないだろう
鈴木:じゃあ、もう命落とせばいいじゃないか、今。そんだけの腹あるのか、お前
西:ああ、あるんじゃないの。俺はあるよ。じゃあ、あんたも落としてみなよ
鈴木:何で俺が落とすんだよ
西:だって命落とすって
鈴木:俺は嘘は、いやいや

………
鈴木:そうしたら、これは何億、何十億ってそれはまあ、株の鉄則なんですよ。それはまあ彼も分かると思うけど、それくらいのね。…水もらえませんか
A氏:ちょっとお待ちください
西:今回、ちょっと原点に戻して話しませんか。恥を晒すのはやめませんか、お互いに
A氏:水がいいの? お茶がいい?
鈴木:いや何でも。冷たいのでお願いします。冷たいのでお願いします

平成19年6月27日の三者(A氏、西、天野)協議から抜粋
平成11年9月30日に、エフアールの決算対策のためにA氏が一時的に同社の手形を戻してあげた際に、鈴木の依頼に応えて「債権債務を無い」とする確認書を交付した問題である。
………

(写真:確認書。A氏がFR社の決算対策のために交付した確認書で鈴木は債務完済を主張した)

(平成11年9月30日付でFRの手形を決算対策のために一時的に戻した件で、鈴木が「清算したので手形の返却を受けた」という主張に対して)
天野:あの、これ、全然記憶にないです。支払ったとかどうかって。記憶にないです。それでまあ、そのことを弁護士に聞かれましたからね、で、私が言ったのは、「たぶんこれ持って行くときに『預かり証』を書いているじゃないでしょうかね」ということを言っただけ、弁護士には。
A氏 :あ、それだけですか、なるほど。
天野:だから、金を預かるとかそういうことは、多分そんなことは有り得ないと思いますよ、という、そういうやりとりはないと。

………
(平成10年度の決算対策後に手形返却を受けた日時の確認についてFRでの調査について)
A氏 :なんとか調べられない? これ大事な問題なんですよ。
天野:いや、あの、会社にあれば、いとも簡単に分かりますから。
A氏 :ああ、なるほど。そうですか。
天野:ただ、あの、その後、狭いとこにずっと移動してますんで。いらないもの、全部捨てちゃっています。
A氏:ああそう。
天野:それと、あの、先ほどおっしゃったように、これは、鈴木が裏で個人で使っている手形だと思うんですよ、
A氏:いや、そうみたいですね。平成信用金庫なんかね。
天野:だから、なおさら会社で取ってはいないんじゃないかな、と思うんですよね。

………

(写真:念書)

(ピンクダイヤと絵画の販売委託に係る念書について、平林弁護士経由で天野氏がある事ない事をいろいろ言っていることへの確認)
天野:私は、弁護士に話したことはないです。で、この件で、鈴木から連絡がありました。「ちょっと、もめてるんで、これこれ、こうで、そのときどうだった?」と。まあ同じ質問を、鈴木も質問して、そのとおりに言いました。みんな同じように話してます。
………
A氏:これ見てみません? これ、「正確なところを書いてくれ」って言って、書いてもらって、これ、紀井さんのやつだ…
西:これは天野さん、正直言って、あの、鈴木氏が、あの、この8年間、私がね、やった宝林をスタートにして稼いだお金です。
天野:まあ、それくらい稼いでいるんじゃないですかね。
A氏:天野さん、そう思いますか?
天野:ええまあ、そんなにびっくりはしませんけど…
A氏 :ああやっぱり。

平成18年10月23日の二者(A氏・鈴木)面談から抜粋
鈴木は和解協議から1週間後に単独でA氏の会社を訪ね、和解書の支払約束を追認し、支払方法についても具体的に言及した。A氏とのやり取りの中で、株取引が継続的に実行された件について、鈴木は西が嘘をついていると改めて強弁した。

鈴木:それはねえ十分……ちょっと話前後するけど、俺も腹くくって言ったつもりだけど。まあ西がどう言ってるか、例の香港の話もありましたよね。あれも正直言ってホント納得いかない。作り話ですから。ホントそれはもう○○だと思ってしょうがない。ただ前も言ったけど原点に戻れって、俺は社長にもお世話になったし、確かに西にしてもきっかけはジャスですから。宝林。
A氏: 宝林ね。はいはい。
鈴木:あのきっかけを彼が作ったのは間違いない。

………
A氏: いや、これは彼はね、自分の事はよくやって、ハッキリ言って色んな物凄い、沢山あったけど、人の事は物凄い聞きたがる。だから僕の事は全部知ってます。全部っていうか、まあ・・・
鈴木:ま~そうでしょ。社長も、焚き付けた分もあるんだろうし、正直ハマったなと。それ はそれでかまわない。金払う気で来てますからね、俺は、現実。それはしょうがないなと。何故かっていうと、あいつの、ジャスのきっかけ作ったのは彼。
A氏: それはそうだ。
鈴木:それと、後、その、FRの時ですか? ここ良いからから買えと言って、買って損したことはある。それはある程度手続きやってますから。

平成18年10月24日の三者(A氏、西、紀井)面談から抜粋
鈴木との面談を受けて、A氏は紀井氏と面談し、合意書に基いた株取引が多くの銘柄で実行されたことを実感した。同席した西はA氏を裏切り、語っていなかった真実の一端を明かした。

(平成14年6月27日に鈴木が借用書を書くにあたり、「西に10億円を渡した」と言い出した。その10億円について)
西:宝林で、あの、社長に15億のうちの14億をお届けした8月の時に、ですから、それは1999年の、あの、8月なんですが、その時にお金を1億とか、1回でいただいたわけじゃないので、私は。何回にも分けてお金を鈴木からいただいたんですが、そのお金は、紀井さんもそのうち3、4回は届けてくれたと思います。
A氏:いや、ちょっと待って。あなたの言っている、その、ねっ、「僕、10億貰った」というのは…
西:1999年。
A氏:年度はともかく、私の鈴木に貸してあるカネを、あなたが受け取ったっていうことと違うわけ?
西:全然違います。
A氏:だったら、先にちゃんと言わなきゃダメじゃない。鈴木の前でボロクソに言われてたじゃない。「お前が使ったんじゃないか? お前に渡したじゃないか」と。あなたは、「知らない」と言ったんだぜ。その場で、実はこうですっていうことを認めたから、「じゃあ、鈴木さん、分かった」っていうんで、10になったわけだよな。話をごっちゃにしたんで分かりにくいけど。

………
(鈴木との株取引で、西が蒙った損失について)
西:……あの、エフアールの第三者割当の後に、あの、「600万株買ってくれ」ということを言われまして。それで、今でも覚えていますが、あの、午前10時くらいでしたが、買いを入れました。その時にもう、買い物が300万株入っていました。そこに600万株を入れて。鈴木さんが、鈴木が言ったことは、要するに2.5倍から3倍、800円くらいになるから、だから大きな利益になるからと。要は、「今まで一緒に、ずっとやってきているんだから、俺は絶対に裏切らないから」って言って、私買いました。
A氏:総額はいくら?
西:えー、21億です。

………
西:それは、あの、一気に私が買いを入れて、30分くらい後に、あの、売られました。そして、段々、段々、そのうち「鈴木さん、どうなっているんだい?」って言ったら、「いや、すぐにまた西田グループが上げるから。一緒に、何かちょっと売られたけど、大丈夫だから」っていうことでしたが、最終的には110円まで、あの、下がっていきました。
A氏:いくらで買ったの?
西:356円くらいです。で、あの、それで今度はもう追証だとか、いろんな問題も出てきて、社長に、最初に社長に出して戴いた金額は、確か7億円だったと思います。それで、信用買いで21億の買いを入れたんですが、あの、どんどん、どんどん、それが追証、追証ということになって、社長に追加融資もしていただきました。
……
西:最終的には110円だったんですが、その時には、それはファイナンスをかけて(資金の)3倍(の買い物)になってやっておりましたんで、あの、どんどん叩き売られました。それで、損が出てしまいました。
……
西:本当にびっくりして。どうして、こんなことになったの? って言ったら、「いや、ちょっと、西田(晴男)が裏切ったんだよ」って、そう言われました。「だけど、西田には責任を取らせるから」って言われました。
………
西:後は全然、エフアールの部分だけで、私は、最終損失が16億くらいになりました。その後も、志村(化工)とかも、色々と騙されましたけど、あの、2001年の11月に英文の契約を、もう、その時には私は疑っていました、私は正直言いまして彼の事を。だけど、  (契約を)交わして、「絶対に西さん、責任もって5年以内に…、今は、どんどん割り当てにお金を使わなきゃいけないから、今直ぐお金にはできないけども、株券では残っているのもたくさんあるけども、だけど5年以内には大変な金額になるから」っていうことを言われて、契約を結びました。
………
西:はい、2001年の11月です。で、その時に言われたことは、あの、「お金は残っていないです。株券がどんどん増えているんです。だから、あの、現金でもあるけども、その時に売った時に100億くらいは現金になる時もある。それで、株券になる時もある」と。「だけど、今からどんどん、どんどん割り当てやっていくから、きっとすごい数字になるから。あの、それまで俺の思うようにやらせてくれ」という風に言われました。
で、A氏さんの件に関しましては、1年の12月に、あの、まあ、11月から交渉だったんですが、10月から11月だったと思うんですが、あの、「18億の借入金に対してあの、何とかその値引きして、A氏さんも、もう充分帳尻が合っているんだから、10億にしてくれ」ということを言われました。私は言われました。あの、「何とか、そういう風に対応してくれませんか」っていうことを言われました。

……
(鈴木の隠匿資産について、紀井氏の見立て)
A氏 :はっきり知らなかったんですか?
紀井:いや、香港サイドは分かります。だけどもメインはスイスです。それは彼しか分からないです。
西 :彼と、もしかしたら茂庭さんが。それから移している部分もあるかも知れませんが。
紀井:いや、これ、申し上げますけど、絶対に茂庭さんにも100%知らせていないと思います。

………
A氏:紀井さん、香港にはいくらぐらい…、いや、紀井さんの想像で香港では…。
紀井:200ぐらいですかねえ。
A氏:香港だけで200億ですか?
紀井:いや、ちょっと僕は…

飽くまで抜粋ながら、それぞれのやり取りをつぶさに検証すれば、鈴木が裁判で主張し証言した内容が、ほぼ全て鈴木の都合のいいように作り上げた嘘で固められたものであることが分かるはずだ。それゆえに、品田裁判長がこれらを証拠として採用しなかった理由が分からず、合意書と和解書を無効にすることによって、株取引そのものを争点から外してしまう意図が明確にあったと思わざるを得ないのだ。(つづく)

2023.06.18
     

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