未だに西の「遺書」を秘匿し続ける内河陽一郎に問われる人格

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債権回収に「全面協力する」と約束したはずが、一転して反故にした陽一郎
西義輝の死から約4か月後の平成22年6月15日、西の妻松子と息子の内河陽一郎がA氏の会社を訪ね、一通の書面が作成された。
「合意書」と題するその書面には、第一に西が生前にA 氏に譲渡した全ての債権及びA氏の債権回収について、A氏が依頼した場合には妻松子と陽一郎が全面的に協力する、という約定が謳ってある。
言うまでもなく、西がA氏に譲渡した債権及びA氏の債権回収とは、A氏が鈴木義彦に貸し付けた資金約28億円(元金)と「合意書」に基づいた株取引の利益分配金を、また譲渡債権とは、鈴木と西がA氏を外して利益の山分けをするとして交わした密約で、西が鈴木から受け取ることになっていた137億円を指している。
陽一郎は鈴木と西の株取引の実情を実感する現場にいただけでなく、平成18年10月2日に西に同行して香港に出向き、鈴木から受け取る予定になっていた株取引の利益分配で殺されかけた現場にいたほか、同月16日の和解協議後の鈴木との交渉の現場で、西が提出した多くの書面の作成にも関わったことから、少なくとも西が自殺した後の鈴木との交渉の現場で自ら知り得た事実や実際に目撃した出来事等について、A氏や関係者達に語るべき立場にあったはずだ。ところが、陽一郎は一切口を噤み何も明らかにしようとはしなかった。それだけではない、陽一郎はA氏に対して全く反対の態度を取り続けてきた。妻松子宛の分を含め自分に届いた西の遺書を見せると約束しながら、今に至るも見せようとせず、鈴木に対する貸金返還請求の訴訟でも、実名の陳述書の提出を拒んだり、別の訴訟提起にも鈴木の報復が怖いとか就業先のコンプライアンス問題等を出して協力できないと言い出すなど、全く理解できない対応を取ったのだ。西の関係者やA氏の関係者達は誰もが陽一郎の無責任さと非常識さに憤り、「父親の無念さを思えば、鈴木に対してあらゆる手段を講じてでも対抗するのが息子の役目ではないのか」と詰ったが、陽一郎は聞く耳さえ持たなかった。

鈴木の報復を恐れるという陽一郎の言葉の裏には、西が株取引のさ中でA氏を裏切る密約を交わしたり、合意書破棄で10億円と宝林株の利益分配として30億円の報酬を受け取ったり、さらにはA氏から出してもらった買い支え資金を流用していた等の事実を突きつけられ、鈴木から恫喝された現場を陽一郎も目撃した経緯があったのではないかとさえ思われる。そうであれば、陽一郎も西と一緒に散財に耽った事実はA氏には知られたくないという思惑が働いても当然だろう。しかし、A氏の関係者が自分の身の危険を顧みず鈴木を追い詰めようとしている中で、A氏の資金を父と一緒に流用していた陽一郎が自分の身だけを案じてA氏側に協力をしないという事は明らかな裏切り行為であって、誰が聞いても納得するはずがない。A氏に対して金銭問題を始めとして多大な迷惑を蒙らせてきた父親の不祥事を踏まえれば、陽一郎の釈明は、まるで他人事のように受け止めているとしか見えず、自分には関係ないという口ぶりにしか聞こえない。株取引を巡るA氏と西、鈴木の3人による和解協議後に行われた交渉で、西がさまざまな書面を作成し提示したが、交渉前半の書面の作成を担ったのは陽一郎であったから、陽一郎は鈴木のあくどさを十分に承知していた。その陽一郎にとっては鈴木が西の命まで狙ってきた仇敵ともいうべき男であることをどこまで真剣に受け止めていたのか。陽一郎にはA氏への感謝の気持ちが微塵も感じられず、誠実さや謙虚さが全くない自分勝手な人間としか言いようがないのだ。これには、多くの関係者が同様の考えのようで、父親がやってきたデタラメぶりは鈴木を上回るが、そこには僅かではあっても人の好さも窺わせていた。しかし、陽一郎にはそれが一切なく、育ち方の悪さが際立って目についていたようだ。なお、西が鈴木から受け取った分配金やA氏が出した買い支え資金のうちの相当分が西の妻と陽一郎に流れている可能性は高い。A氏の下に届いた西の遺書を、まだ開封しないところで、陽一郎が「私にも見せて下さい」と言い、A氏が「西の奥さんと君の所に届いている遺書を見せて欲しい」と言うと、陽一郎が「分かりました」と言っていたにもかかわらず、今に至っても惚けて見せようとしないのは、その辺りの事情が書かれていて、A氏には見せられなかったからに違いない。

こうした陽一郎の不可解な言動に対して、関係者の一人が陽一郎に手紙を送り、西が自殺する際に西の妻松子と陽一郎に宛てた手紙(遺書)を見せる事に加え、未だA氏に言っていないことが多くあるようだから、いい加減に本当の話をするべきだという注意喚起をしたところ、あろうことか、陽一郎は弁護士を立てて、「この問題は自分と社長の事なので一切立ち入らないで欲しい」という趣旨の通知を送らせていたという。いったい、陽一郎は何を考えているのか、理解に苦しむが、弁護士を立ててまで関係者からの忠告を拒否する対応は尋常ではない。しかも、陽一郎がその後にA氏に連絡を取り、西が遺した遺書の開示や自分の意思を直接伝えたかと言えば、そうではなく、A氏に対しても依頼した弁護士を窓口にして陽一郎とは直接連絡を取らないで欲しい旨の記述が送られた通知にあったのだ。
父親の西が生前にどれほどA氏に世話になり、どれほど迷惑をかけたか、陽一郎は全てを承知しているだけでなく、西がA氏に宛てた遺書をA氏に強引にコピーをさせて読んでいるから、西のA氏への思いも十分に分かっていた。さらに言えば、西が自殺した直後に別の債権者たちが強硬に債権回収を行おうとした。一人は元反社の人間であり、もう一人は高利貸しで、西はどちらにも5億円近い債務を抱えており、他にも数人の債権者がいたために陽一郎がA氏に泣きついて協力支援を求めたのだった。それで、A氏が債権者たちを説得して事なきを得た。それを陽一郎が忘れるはずはなかった。それにもかかわらず、関係者へのこの対応である。誰が見ても、陽一郎の言動に大きな違和感を持つとともに、陽一郎の非常識さには本当に呆れてしまう。

陽一郎は西が受け取った利益分配金の一部を懐に入れた?!
西が鈴木と実行した株取引で、A氏が買い支え資金を総額で207億円を出していた事実を陽一郎は承知していた。西は鈴木の甘言に乗ってA氏を裏切る中で買い支え資金の一部を流用して合意書に基づいた株取引とは別の投資に使ったり、西の経営する東京オークションハウスの店舗を新規に銀座に2店舗と日本橋にも出店したり、さらに西の妻松子には銀座に「角館」(妻の出身地に由来)という名前の店を出させたり、あるいはカジノや料亭遊びなどの遊興に散財した事実が後日判明したが、そこには多くの場面で陽一郎の姿があったことを関係者が目撃している。陽一郎は株取引の現場を見ていながら、西を諌める言葉をかけたとは思えないほど西の浪費に加担したことが窺える。また、西が鈴木から受け取った10億円と30億円の合計40億円について妻の松子と陽一郎が語ったことは一度もなかった。それゆえ、西が一部にしろ妻の松子と陽一郎に渡していたはずだと、関係者が言っている。

西がA氏と知り合って以後、A氏から借り受けた事業資金や投資資金の債務116億円に加え、合意書に基いた鈴木との株取引でA氏が支援した買い支え資金207億円の総額323億円という巨額の債務を負っていた事実、そして前述したとおり、その買い支え資金の一部を流用して浪費した父親を、陽一郎は咎めるどころか一緒になって浪費した責任を全く自覚していない。
西の妻松子や身内が西の死後に相続放棄をしたことを知っていながら、陽一郎はA氏に報告も相談もしていなかったが、これは人として許されないことなのだ。陽一郎は西がA氏に宛てた遺書のコピーを持っているはずだから、もう一度読み返すべきだ。西がどんな思いでそれを書いたか、どれほど言葉を尽くしてA氏に詫びているか、さらに鈴木から裏切られたという強い怨み等を実感して、過去の様々な現場を思い出すべきだ。そして、A氏に見せようとしなかった妻松子と陽一郎宛の遺書を今こそA氏に全て見せるべきではないか。
ちなみに、西の前妻も西と同様に自殺しており、時期は別にしても両親がともに自殺したケースは確率的もごく少数と思われるが、それが陽一郎にどのように影響しているのか、少なくとも陽一郎の考え方にはひどく歪みがあり、同調する者は一人もおらず、むしろ陽一郎の人格破綻を強調する関係者が圧倒的に多いのが事実だ。陽一郎は周囲の関係者たちがそうした見方をしていることを弁えて、あまりにも身勝手な考えや振る舞いは止めるべきではないかと思われる。
陽一郎は、西がA氏に内緒で妻松子の生家の近くに建てた別邸の処理に当たって「自分が買ってもいいですよ」とA氏や関係者の前で言ったこともあったようだが、それも一つの意思表示になるはずだ。というより、そのくらいやって当然である。関係者の注意喚起に対して、わざわざ弁護士まで立てて「A氏と自分の問題に立ち入るな」と通告させたり、さらにA氏にまで弁護士を通せと言って、自分との間を強引に遮断しようとする言動がどういうことであるか、その意味を本当に認識しているかを、陽一郎はもう一度深刻に考えるべきではないか。(つづく)

2023.06.27
     

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