種子田吉郎が率いる「常仁会病院グループ」を所管する厚労省と各県の自治体と医師会等は同病院グループに対する強力な指導強化を真剣に取り組むべきではないのか。種子田益夫が全国の病院施設を買収し、その維持継続を図るために債権者から借り入れた資金を注入してきた経緯は周知のとおりで、益夫の指示で理事長に就いた吉郎は、しかし、益夫が負った債務の処理に一切対応しようとせず、それどころか病院グループを創業した益夫を排除したうえに、「病院グループは自分が築いた」などと公言して憚らない。しかし、グループの「総帥」であるならば、益夫が病院グループに注ぎ込んだ資金の処理に対して責任を持つのは当然にもかかわらず、益夫が令和元年10月に死亡するや、いち早く相続放棄の手続きを取るという非常識かつ無責任な人間なのである。そもそも医者の資格がない吉郎が理事長に就くことはできなかったはずだが、未だに何の咎めもなく理事長の座に収まり、まるで益夫同様にグループの支配構造を強化しているが、監督官庁や医師会は、なぜそれを問題にしないのか。
例えば、日本医師会は、益夫がオーナーとして全国各地の病院を買収し常仁会グループを大きく形成する中で、同会の重責を担っていた桧田仁氏(元参院議員)が傘下の病院施設に多くの医師を派遣し就業させる協力を継続的にしていたから、益夫と吉郎との関係は極めて重大である。
吉郎は医師の資格もなく、また医療業界での経験もないまま各病院施設だけでなく病院グループを統括する東京本部の理事長に就き、現在に至るまで傘下の病院施設を事実上私物化してきた。しかし吉郎のこれまでの対応は秘密裏に病院グループの収益から毎月6000万円という多額の機密費(裏金)を調達して益夫に提供するという背任に問われ得る行為を繰り返し、さらにコンプライアンスにも抵触する言動が多々あるなど、真っ当に病院グループを統括する資格は皆無と言っても過言ではない。その指摘は多方面から寄せられているのだ。いうまでもなく、吉郎による病院グループの経営姿勢は医療法が目的としている「医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もって国民の健康の保持に寄与する」ことが達成し得ないばかりか、告発を前提とした刑事事件に発展する可能性が高く、治療の最前線にある病院が混乱することは必至なのだ。厚労省の大臣や医政局長はその点をどのように受け止めているのか。
常仁会病院グループのオーナーであった益夫が債権者に負っている多額の債務について、益夫が病院を担保に供し、仮に債務の返済が難しい場合には病院を売却して返済原資にするとの約束を反故にしている事実を踏まえ、吉郎はそれを全て承知していながら、益夫が負う債務について一切知らぬ振りを決め込んで来たが、それはまさに反社会的な行為であり、コンプライアンスにも重大に抵触するものと思われる。益夫は平成8年以降に表面化した金融機関を巡る不正融資事件で罪を問われたが、債務は返済しておらず、金融機関の破綻処理に国の税金が投入されたにもかかわらず、吉郎以下益代(故人)、安郎の弟妹が益夫の死亡直後に揃って相続放棄をした行為は、決して許されるものではないのだ。(つづく)